本文
秋山記行(あきやまきこう)
印刷ページ表示
更新日:2010年7月12日更新
北越雪譜(ほくえつせっぷ)の著書で有名な鈴木牧之(すずきぼくし)(明和7年(1770年)~天保13年(1842年))が著した代表的な作品の自筆本です。
縦27.2センチメートル、横19.1センチメートルの冊子で2冊に分かれています。表紙は藍(あい)色で亀甲鳳凰文(きっこうほうおうもん)、巻一は54枚、巻二は55枚に記されています。
秋山郷の風俗・習慣を記した紀行文で、巻初の自序(じじょ)および奥書(おくがき)から、文政11年(1828年)初冬に書き始め、信越境・秋山郷の探訪から帰った翌12年の2月に書き終えていることがわかります。牧之が60歳の時の作品です。
江戸の有名な戯作家、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)から出版を勧められ、取材を行いましたが、一九の死去により、牧之が生きている間には出版されませんでした。
秋山郷は現在の新潟県と長野県にまたがった地域にあり、険しい山に囲まれているため田畑が少なく、たびたび飢饉(ききん)に見舞われていました。片貝の佐藤佐平治による救済などでも知られています。
文化財指定日 1983年3月25日
秋山記行の表紙と内容
秋山郷の様子が鮮明な色使いで記されています