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魚沼神社大般若経(うおぬまじんじゃだいはんにゃきょう)
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更新日:2010年7月12日更新
魚沼神社に所蔵されている大般若経は、至徳3年(1386年)から応永3年(1396年)の10年ほどの間に、越中国(今の富山県)で書写されたものです。
江戸時代後期に編さんされた『新編会津風土記』(しんぺんあいづふどき)巻之百八によれば、越中に侵攻した上杉謙信が、七社明神にあった大般若経を持ち帰り、魚沼神社に奉納したとされています。
本来ならば全600巻あるうち、残存するものは555巻で、完本は458巻、完全な欠巻は45巻となっています。その他に同一巻が4巻あります。経本の寸法は縦約27センチメートル・横約9センチメートルで、材質は楮斐混漉紙(ちょひこんろくし)(楮(こうぞ)と雁皮(がんぴ)を混ぜて漉(す)いた紙)を黄檗(きはだ)で染めています。経本は現在は折本(おりほん)仕立ですが、もとは巻子(かんす)本だったようです。
表紙にはそれぞれ、大般若波羅密多経 巻第○と記されています。
内容などから、越中国で作られた事は間違いなく、小千谷市の中世はもとより、新潟県の中世史を知るうえで貴重な資料です。
文化財指定日 2001年3月23日
大般若経の表紙
大般若経の内容の一部
全部で555巻が現存しています